【中村印舗】

機能と感性を融合

七二十代のころから建築に追い求めてきたことは、機能と感性の融合についてです。建築デザインはデザインのためのデザインではありません。 住まいをクライアントの個性や住まい方に合わせることが機能性であり、その中に建築空間を作り込んで感性が付加されると考えています。 これからの住宅には、街並みと違和感なく、同時に自己表現できる建築が求められています。私が美大出身ということから、デザインについてよく質問を受けます。そもそも建築デザインとは、 機能性の中に初めて生じるもので、間取りのプランニングであったり、クライアントのニーズであったり、個性を引き出すのが本来の建築デザインだと考えます。外見だけでなく、住む人の使い勝手と個性を見て判断してほしいと思います。
若い建築家にいつも言っているのは「建築とはクライアントのための建築空間を提供することであり、建築デザイナーの自己満足であってはならない」ということです。
街づくりにスポットを当ててみますと、生きた街とは世代交代があることです。建築もそこに住む人の成長や家族構成によってリフォームが行われるのが本質です。 最近の住宅メーカーの、供給だけに力を入れている姿には疑問を感じます。使い捨てではなく、世代交代のできる街づくりと建築を目指しています。


(北陸中日新聞/2004年6月10日)

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