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ビフォーアフター
アフター
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山上邸は、蔵を5棟持つ明治期の住宅を、昭和38年に家業のガソリンスタンドと鉄筋コンクリートの事務所付き住宅に増改築された建物であった。ガソリンスタン
ドの移転と共に総持寺祖院の門前町の道並みにあった物に増改築してもらいたいとの要望を受けた。事務所部分と一部の住宅の鉄筋の部分はそのまま使う中での増改
築計画でもあったし、山錦楼に続く大正明治期の生きた日本建築の再生と創成がテーマであった。
能登の日本建築の特徴である漆塗りの木材と、木材の材種を組み合わせる内部空間としている。また本来の囲炉裏の間のプランではないがリビングを漆の小屋組の
中に漆の板張りとして、黒柿の囲炉裏やケヤキの板やゴマ竹・サワラなど、木の種類だけでも9種以上の物を組み合わせたデザイン構成となっている。外観デザイン
では、漆喰の部分と下見板張りの蔵の外観を提案した。それらの組み合わせの中で、モダンデザインにも通じる建築材料の素材の組み合わせの中でのリズムを生み出
している。
クライアントの奥さんから、口うるさい知り合いから良いセンスの日本建築の家になっているといわれたとの話や、いつもは明治時代の離れで昼寝をしている娘婿
さんが昨年里帰りした折りには、囲炉裏の部屋でくつろいで昼寝をしていたとのお話を伺っている。今では、囲炉裏を囲んで知人達と鍋をつついで晩酌をするのが一
番のご馳走だそうである。
日本建築の再生にはいろいろなやり方があると考えているが、日本建築の復元や映画のセットのようになってはいけないと考えている。山錦楼や山上邸のように日
本建築の良いところを理解した中で、建築材料に木を中心とした物をこれからも提案して、現代人に受け入れられる新しい日本建築を作りたいと考えている。